最近、通勤電車の中で中野信子さんの『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』を読みました。タイトルからしていかにも「できる人」向けという感じで、正直なところ、今さら自分が読んでどうなるんだ…という気持ちも少しありました。でも、本屋で平積みされているのを見て、つい手に取ってしまったのです。
読んでみて感じたのは、「頭がいい」というのは、決して地頭の良さや学歴のことだけではない、という当たり前のようでいて、どこか忘れていた事実でした。感情に振り回されずに物事を見ること、自分の思い込みを疑うこと、すぐに白黒つけずに考え続けること。どれもシンプルですが、仕事の現場ではなかなかできていないことばかりです。
特に刺さったのは、「自分のバイアスを自覚する」という話でした。長年サラリーマンをやっていると、経験が武器になる一方で、「前もこうだったから今回もこうだろう」と無意識に決めつけてしまうことがあります。若手の意見に対しても、心のどこかで「甘いな」と思ってしまう自分がいる。けれど、それこそが思考停止なのかもしれないと、少し反省しました。
また、「感情をコントロールする力」についても考えさせられました。忙しい年度末、数字に追われ、部下のミスにイライラし、つい強い口調になることもあります。しかし、頭のいい人ほど感情と上手に付き合っているという話を読み、耳が痛くなりました。感情的になるのは簡単ですが、その後のフォローのほうがよほど大変ですから。
この本は、難しい専門書というよりは、日常に落とし込めるヒント集のような一冊でした。通勤時間に少しずつ読むのにちょうどよく、「今日は一つだけ意識してみよう」と思える内容が多かったです。いきなり賢くなれるわけではありませんが、考え方の癖を少しずつ修正することはできそうです。
「今さら成長なんて」と思いがちな自分ですが、こういう本を読むと、まだ伸びしろがあるのではないかと錯覚させてくれます。その錯覚も、悪くないものです。
明日から急に“世界の頭のいい人”になれるわけではありませんが、せめて会議で一呼吸置いてから発言するくらいはやってみようと思います。中年サラリーマンなりの、ささやかなアップデートです。
